十一面観世音菩薩

 伝へ曰く、聖武天皇の御代(724〜749)この林叢の西端に 大銀杏があって、その梢から光明が輝き、其夜里民の夢に「吾は近江国竹生島の観世音なり、今此土に至って衆生を化緑す」とあったから、暁天に及んで拝すれば樹上に十一面観世音菩薩の佛頭が在したので、驚いて抱きおろし、伽藍を造営して近江堂となづけた。事叡聞に達し、勅命によって行基菩薩を下し、佛体を彫刻し、堂塔伽藍を修し、開眼供養せしめた。

 昭和37年1月13日 一宮市指定文化財に指定。秘佛


 御緑日 毎月18日
 初観音 正月18日


観音様の説明
(左の画像内の記載内容)
一宮市指定文化財
木造十一面観音菩薩坐像
観音寺蔵
昭和三十七年一月十三日指定
寄木作り 像高五十二・五cm
宝冠をいただく十一個の化仏は、曼茶羅図中のものに従ったように大きく、玉眼によって強調されている表情は人間的で、衣の褶の表現も写実的である。側面からみる肩や胸は分厚くて迫力に満ち、円筒形の胴体も強く引き締まる。
 坐像の十一面観音の例は少なく、像の制作は、鎌倉時代と推定される。
一宮市教育委員会